2025.05.29
お知らせ
住友洋画コレクション展示替え 後期水彩画作品の見どころ
5月27日(火)〜6月22日(日)まで、新しく水彩画が入れ替わりました。
浅井忠の水彩画 「垂水の浜(1903)」 「浜辺漁夫(1906)」 「秋林(1903)」
三宅克己の水彩画 「伊豆山風景(1930)」
以上4作品の、軽やかで爽やかな水彩画の魅力をご堪能ください。
1904年(明治37年)水彩画家三宅克己と、水彩画は油彩画を学ぶ上でのステップの一つに過ぎない(絵画におけるヒエラルキー論)とする鹿子木孟郎は帰国後「水彩画論争」を繰り広げる。
和田英作も加わり、さながら外光派の白馬会いわゆる新派または紫派(影を紫で表現した為)と、明治美術会、関西美術院のいわゆる旧派または脂派(画面が脂色ぽかった為)の代理論争の様相を呈していた。
浅井忠(あさい・ちゅう1856〜1907)の水彩画「垂水の浜(1903)」「浜辺漁夫(1906)」「秋林(1903)」
工部美術学校にてアントニオ・ホンタネージに学ぶ、明治美術会創設、東京美術学校教授、フランス留学後、京都高等工芸学校教授・関西美術院初代院長。
三宅克己(みやけ・こっき1874〜1954)の水彩画「伊豆山風景(1930)」
米国エール大学附属美術学校に学びイギリス、フランス、ベルギーを巡り帰国後、黒田清輝率いる外光派の白馬会会員を経て、光風会結成に参加。印象派紹介にも努めた水彩画家。
鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう1874〜1941)の油彩画「ノルマンディーの浜(1907)」「加茂の競馬(1913)」
渡仏後、浅井忠の知遇を得、和田英作の紹介でアカデミー・コラロッシにて、外光派の画家ラファエル・コランなどに素描を学ぶも、アカデミー・ジュリアンにてフランスの伝統的アカデミックな画風で最後の歴史画家と呼ばれたジャン・ポール・ローランスに師事。帰国後、京都高等工芸学校講師、浅井忠らと関西美術院創立。浅井没後関西美術院院長。
和田英作(わだ・えいさく1874~1954)の油彩画「こだま(1903)」
黒田清輝らの天真道場に入門、白馬会創立に参加、東京美術学校助教授を経て欧州留学
パリでラファエル・コランに師事。パリ郊外グレーで浅井忠と共同生活。東京美術学校校長。