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新居浜市美術館

新居浜市市制施行80周年記念事業 ―新居浜美術の新時代と住友― 小磯良平・オリゾン洋画研究所再考

四国初公開となる超大作《働く人びと》をはじめ、
近代日本洋画の巨匠・小磯良平の代表作が新居浜に大集結

 

知られざるKOUTOの美術交流史

工都・新居浜 - 港都・神戸

 

 

小磯良平《働く人びと》 1953年 194.0×419.0 cm 神戸市立小磯記念美術館寄託

 

 

「小磯良平洋画講習会集合写真」 1950年8月 新居浜・住友倶楽部にて

撮影:大久保忠則

*2列目左から3人目・小磯良平、その左・西澤富義、4列目左端に真鍋博

 

 

西澤富義《室内》 1949年 住友化学株式会社蔵

 

 

真鍋博《少女》 1950年代 愛媛県美術館蔵

 

 

小磯良平《グリーンのカーディガンを着た婦人》 1949年 本館蔵

 

 

 

1950年8月7日から3日間にわたって
新居浜・住友倶楽部で開かれた「小磯良平洋画講習会」
西澤富義率いる美術グループ・オリゾン洋画研究所主催によるこの講習会から、新居浜美術の新時代が動き出した―

 

 

本展では戦前から戦後にかけて日本の洋画界を牽引してきた画家・小磯良平[こいそりょうへい 1903-88 神戸生まれ]の画業と、小磯に薫陶を受けた新居浜の洋画家・西澤富義[にしさわとみよし 1915-74 福井生まれ]、さらには彼の率いたオリゾン洋画研究所の作家と活動について、[Ⅰ]小磯良平の代表作と《働く人びと》[Ⅱ]小磯良平をめぐる人々と新居浜[Ⅲ]小磯良平洋画講習会と西澤富義・オリゾン洋画研究所 という3部構成により、新発見・初公開を含む約100点の作品資料から振り返ります。
中でも《働く人びと》は縦横2×4mにわたる小磯生涯一の超大作で、神戸以外での展示は今回が初めてとなります。さらに小磯が新聞小説の挿絵や装幀などを手掛けた新居浜出身の小説家・白川渥[しらかわあつし 1907-86]や、小磯の絵のモデルとして度々作品に登場し、戦前から新居浜の画家たちと交流を重ねていた高知出身の洋画家・小松益喜[こまつますき 1904-2002]といった小磯と親交の深かった神戸の四国出身作家たちの動向にも注目し、その関係を初めて明らかにします。
1950年8月に住友倶楽部で開かれた「小磯良平洋画講習会」には当時高校生の真鍋博やオリゾン洋画研究所のメンバーなどが多数参加し、美術を志す若い地方画家たちに大きな希望と活力を与えました。その背景には西澤の指導者としての存在が欠かせず、本展でも西澤の画業と新居浜での指導者としての役割について再評価を行います。
本展は戦後昭和20年代に「新居浜 - 神戸」というふたつのコウト(工都・港都)で起こった美術家たちのダイナミックな交流について、小磯良平の代表作と関連作家の作品資料から振り返る初めての展覧会となります。

 

 

 

会期|2017年12月9日(土)-2018年1月21日(日)
 *この展覧会は終了いたしました
会場|展示室1・2

主催|新居浜市美術館
共催|愛媛新聞社、あかがねミュージアム運営グループ
後援|NHK松山放送局、ハートネットワーク、新居浜文化協会
協力|神戸市立小磯記念美術館

開催期間

2017月12月09日-2018月01月21日